■■■ Wonder Showcase
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『ワンダーショウケース』第15期プロデュースアーティスト&アーティストコメント
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WSC #036 キツテフ(橘川てふ)
Kitutehu (Tehu KITUKAWA)
[キツテフ]

【プロフィール】
きつてふ(きつかわてふ)●1979年9月13日生まれ。高校時代、運動部所属だったにもかかわらずパソコン部へ入り浸るようになり、仲間と共にPC-9801用のシューティングゲームを自作する。その仲間たちはゲーム専門学校などへ進学したが、「現実的なもの作り職種」として調理師専門学校を選択、卒業後は日本食の板前という職へ就くことに。フィギュア造形へ着手しはじめたのは専門学校時代で、「完成したフィギュアを誰かに見てもらいたい」という思いからJAF・CONのコンテストへ出品、それをきっかけに知り合った仲間と2〜3回ワンフェスへディーラー参加する。その後、造形で身を立てていくことを決意、板前の仕事も辞め、個人ディーラーとして独立するも、運の悪いことに同タイミングでワンフェスがリセットを宣言。ワンフェスへ参加できない期間は社会人学校へ通い彫塑や彫刻を学びつつ、'01年のリスタートから再びワンフェスへディーラー参加しはじめる。現在は商業原型師として活動しながら、ワンフェスにて創作ヴィネットを発表している。
http://www.geocities.jp/shing_en/


【キツテフからのコメント】
「できることならば、10人が見たら10人が少しずつ違うお話を想像してもらえたら……」と、そんなよくばりなことを考えてしまいます。それは言い換えれば、個性を求められる「作品」としては弱いことなのかもしれません。私は専業原型師ですから、キャラクターグッズとして消費されるものを作っている者ゆえに、自分だけの消費されないものが作りたかったんだと思います。流行に流されることなく、権利に邪魔されることなく、「キツテフ」という個人がいればまわり続け、広がり続ける、そんな世界がほしかったんだと思います。だからそんな自分と同じように、見てくれた人、手に取ってくれた人が「キツテフの作品は自分だけが気付くことができた、自分のための作品だ」と思ってもらえたなら、作者としては大変うれしいのです。さらにそこから作品を見た人それぞれが、話を広げ紡ぎたくなってくれたなら、それは大成功だと言えます。それを思わせるものを創っていけたらと思っています。
 さてその意味でいうと、今回『ワンダーショウケース』に選出していただき、連作をひとつだけ取り出して、多くの人が見える位置に仰々しく展示し販売するという行為は、「見付け出してくれた人だけが長く愛でてくれればそれでよし」といういままでのスタンスとずいぶん毛色が違うのでは……と思われるでしょう。私もそう思いますし、そういうスタンスで創ったものが多くの人に支持されるかどうか私自身が疑問でもあります。だから今回の件は、この先自分が創作を続ける上で、この道がどれだけ険しいのか、何が見えてくるのか、そのほかいろんなことを計るための「ものさし」だと思っています。
 計った結果が「凶」でも逃げ出さないように、皆様はうしろ指をさす準備をしながら見守っていただければと思います。

 

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WSC #037 アキヒロ
Akihiro
[中吉や!]

【プロフィール】
あきひろ●1968年1月19日生まれ。父親が鉄道模型やプラスチックモデルを趣味としていたため、小学校時代からエアブラシ塗装まで含めた本格的な模型製作に勤しむ。中学1年生のときにガンプラブームを体験、模型雑誌も読みはじめるが、「ぼちぼち買ってぼちぼち作った」程度。高校卒業後、幼少期から絵を描くことが好きだったこともあってデザイン専門学校のグラフィックデザイン科へ進み、ゲーム制作会社へ就職。フィギュアに関しては客観視を続けていたのだが、『新世紀エヴァンゲリオン』のブーム後からガレージキットフィギュアの完成度が飛躍的に向上しはじめた事実を肌で感じ取り、徐々に存在を意識しはじめる。その後、模型雑誌のワンフェス特集号に掲載されたWSC#006 臼井政一郎のキャミィに触発され、一般入場でのワンフェス参加を初体験。'02年からいよいよフィギュア造形へ着手し、'03年[冬]より“中吉や!”名義にてディーラー参加し続けている。現在もゲーム制作会社で勤務しているが、「造形特有のおもしろさに激ハマり中」とのこと。
http://homepage2.nifty.com/shobou/


【アキヒロからのコメント】
 私が避けて通りたいことのなかに「文章を書く」というものがある。
 なのに、なぜかいま、その作業をする羽目になっている! とても逃げ出したい気分だ。
 でも「面倒だからイヤ!」と言ったら0.3秒であさの氏に眉間を撃ち抜かれそうなのでがんばって書くことにする。

 いまから5年前ぐらいかな、ワンフェスに初めて行ったのは(それまでは雑誌で見ているだけでした)。写真で見ているだけでも「最近のフィギュアはすごいな」と思っていたのだが、実際に会場に行って生で見てから「自分でも作ってみたい」という気持ちがむくむくと起き上がってきて、知り合いに「どうやって作るの?」と聞いたり、ネットで調べたり、本を読んだりして実際に作りはじめました。ま、やはりと言いますか、最初は「何これ!?」なものでしたが。それでもなんとか頭のなかにある「こういうかたちにしたい」という願望をかたちにするべく、せっせと削り続け現在に至っています。そして、いまになってもまだ、頭のなかにあるイメージへ近付けるスキルは身に付いていませんが……。毎回ほかのディーラーさんの作品を見るたびに「俺ヤベーなー」という気持ちになるんですよね。そのたびに自分のなかにある合格ラインを一段上げ、そのラインを超えられるように次の作品を作り、そしてまた「俺ヤベーなー」と同じことを繰り返す。いつになったら自分の満足したものが作れるのかまったくわかりません。永久に作れないかもしれませんが、これからも創作(オリジナル)系のフィギュアを、満足できるものを作れるようがんばっていきた……ダ、ダメだ! もう俺の頭の限界でこれ以上は文章が書けないっ!

 

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WSC #038 しゅーじ
Syuuji
[秀吉]

【プロフィール】
しゅーじ●1980年4月19日生まれ。小学生時代から漫画雑誌を読みあさり、「将来は漫画家になる」と決意。その夢を叶えるために専門学校コミック科へ進学するも、2年生のときにYujinのカプセルフィギュアと出会い、「……こんなに出来のよい塗装済み完成品フィギュアがたった200円で手に入るのか!」と衝撃を受ける。その後、YujinやK&Mなどの完成品フィギュアをしゃにむに買い集めているうちに漫画家への夢が煮詰まり、専門学校卒業後はニート&引きこもりの道へまっしぐら。ニート状態のままひたすら完成品フィギュアを買い集めていた過程で『リセヴィネ』の存在を知り、「こんなものが売られているのならばワンフェスにも行かなければ!」という思いからワンフェス初参加を果たす。そして、ワンフェス会場から放出されていた造形魂に感化され、「自分なりのフィギュアを作ってこの場で勝負してみたい」という思いを抱くに至り、'05年[夏]より“秀吉”名義でディーラー参加をスタートさせる。'07年、キャラクターデザインや造形をひとりでこなすマルチクリエイターとして商業デビュー予定。
http://hideyoshi.jpn.ch/


【しゅーじからのコメント】

 ガチャ、食玩などから塗装済み完成品フィギュアが身近になった今日このごろ。クオリティも年々上がり、その成長過程を見続けてきた「買い手」の眼も厳しいモノになってきました。
 最近は新規参入を果たした塗装済み完成品フィギュア業者が増え、月々(主に月末発売)の商品数も信じられないくらい増えて、フィギュアオタクの自分としてはうれしい限り。より厳選して、クオリティの高い品を買えるワケですから(メーカー側はうれしくないですよね)。
 それはあたりまえのことなんですが、自分が売り手の立場で考えると大変です。お客さんの研ぎ澄まされた眼で見ると、“秀吉”はしょせん素人ディーラー。このモノが溢れる時代に版権キャラクターを作っても、他者と比べられて技術のなさを露呈してしまう。そうなると残る手段は創作(オリジナル)キャラクターだが、その場合も「即買い!」と思わせるほどの造形技術は必要だ。「版権キャラのように既存のストーリーとキャラクター性があって、創作キャラのようにまわりと比べられない独特さを持つフィギュア……そんなものがあるのか? ……あっ、なんだ、単純にその両方を足してみよう!」。デジペちゃんの誕生である。
 秀吉の創作キャラはすべて『デジペchan』の登場キャラ。そうすることでフィギュア作品を作るたびにマンガの世界観も広がり、その結果から生まれたのがマンガ内アニメ『キラリんColor』やその続編『キラキラカラーColor』。デジペワールドが平凡なのんびり日常ペースなら、キラリワールドはお嬢様学園を舞台にした変身アクション、このふたつの世界をベースにすることで、オリジナルキャラは「新キャラ」となり、もはやオリジナルキャラではなくなるワケだ。みごとなひとりコラボ!
 近年、停滞とも衰退とも言われ、何やら暗雲が広がるフィギュア業界(主に塗装済み完成品ですが)。自分はこの業界が好きですし、救われた身ですから、いつの日か恩返しができれば幸いですね。


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